解決事例
これまでに手掛けた事例を厳選して紹介
これまでに手がけてきた様々な案件の中から、特に記憶に残る、または参考になる事例を厳選して紹介いたします。複雑な商事案件からお客様が直面される身近なトラブルまで、幅広い分野での解決実績をお見せすることで専門性と信頼の対応をご理解いただくことを目指しております。同様の問題をお持ちの方々が解決への糸口を見つける助けとなることを願っています。
Dさんのケース(男性60歳代)
Dさんの奥様は,あるとき病院で簡単な手術を受けることになりました。一週間程度の入院ということであり,それほど難しい手術ではないということでした。しかし,手術中に患者の様態が急変したとの報を受け,Dさんが病院に駆けつけたところ,奥様は間もなくお亡くなりになってしまいました。医師は,奥様の様態が急に変わられたと説明するだけで,病院側にミスがあるとは言っていませんでした。しかし,Dさんは全く納得できず,弁護士事務所を訪れました。
弁護士はDさんに次のような説明をしました。「Dさんのケースは医療ミスがあるかないかが争点になるようなケースです。病院側にミスがあるのかどうか,まだはっきりしません。まずは医師の言い分を聞いてみましょう。Dさんの方でカルテなどの医療記録は取得されたとのことなので,併せてこの点についても検討してみます。」
このように弁護士は「調査」ということで,Dさんのケースを受任しました。調査においては,カルテなどの医療記録や文献を調べ,適正な医療が行われたのかどうかを調べ,レポートを作成します。 必要があれば,医師の説明に立ち会い,より詳しい内容をヒアリングします。
このような調査を経た結果,Dさんの奥様のケースは,医師の過失は全くないとは言い切れないが,微妙なものであることが明らかになりました。このようなレポートを弁護士は作成し,Dさんに提出しました。後日,Dさんは「家族も含め検討しました。私は妻の為に訴訟をやってでも医師の責任を明らかにしたかったのですが,息子たちは反対でした。妻は穏やかな性格の人間でしたから,争いごとは好まないでしょう。訴訟まではしないことにしました。ありがとうございました」との連絡が入りました。
このように,Dさんのケースは調査のみで終了しました。当初は,医師の対応に全く納得されなかったDさんでしたが,弁護士作成のレポートにより,気持ちが整理され,落ち着きを取り戻したように見受けられました。
調査を経て,交渉に進むケースもありますが,調査のみで終了するケースもあります。当事務所としては,疑問や割り切れなさを持たれる皆様のお役に立つべく,調査のレポートを作成いたします。 是非,ご相談下さい。
Cさんのケース(男性40歳代)
Cさんは一軒家のマイホームに住んでいましたが,ギャンブルが好きで,サラ金から借金をし,気がついてみるとサラ金への債務が350万円となり,通常の支払いができない状況になってしまいました。 住宅ローンは延滞もなく支払ってきたので,自己破産はなんとか避けたいと思い,弁護士事務所を訪れました。
弁護士はCさんから負債の状況のほか,資産についても尋ねました。 資産は,Cさん名義の一軒家のマイホームのみ。住宅ローンを融資している銀行の抵当権がついており,オーバーローンの状態でした。Cさんは会社員として,そこそこの給料はあったので,弁護士は住宅ローン特則付きの個人再生という手段がありますと,Cさんに提案しました。個人再生というのは,裁判所に申立をし,借金をカットする手法です。カットになる借金はサラ金などで,住宅ローンはカットにはなりません。 Cさんはサラ金への債務が350万円なので,これは100万円にできる可能性があります。100万円の債務にして,これを36回で支払いますから,月に3万円をサラ金への返済に回すことができれば(住宅ローンは別です),債務を返済できることになるのです。もちろん,自己破産は回避できます。
弁護士がこのような提案をしたところ,Cさんの同意が得られましたので,その方針で弁護士は依頼を受けました。 弁護士が受任しますと,まず債権者に通知を出します。 この段階でサラ金には支払いをストップします(住宅ローンは払い続けます)。これによりCさんは,その能力からすると過大なサラ金への支払いから逃れることができるのです。もっとも,債務の返済のステップは始まったばかりなので,気を抜いてはいけません。 今後,少なくとも3万円については支払っていかなければなりませんので,弁護士の預り金口座に3万円ずつ積み立てることをしました。
受任してから4ヶ月ほどで,弁護士は必要書類を収集できたので,裁判所に申し立てを行いました。申し立てを行ってから半年ほどで,債務を100万円にまで圧縮するとの計画が裁判所から認められました。あとはCさんがサラ金に月々3万円を支払っていけばよいこととになります。
このように住宅ローンのある方でも,自宅を守りながら借金を整理することができますので,個人再生は利用価値の高い手続です。債務整理と一口に言っても,今回説明した個人再生のほかに破産という手続きもありますし,手続きの選択が非常に重要です。是非,弁護士に相談し,適切な選択ができるようアドバイスを受けて下さい。